子供は養育環境に左右されると言います。

家庭内暴力やシングルマザーやシングルパパの家庭で育ったから子供の心理に問題が多い、

あるいは田舎で育ったか都会で育ったかによっても異なると言われ、多くの人がそのように考えています。

そのため養育における問題を環境のせいにする傾向もあります。

重要なことは、子供を養育する人は母親だということです。

母親の心理が健康な状態なら、子供はどのような環境で育っても健康な心理に育ちます。

ところが母親に心理問題や心理障害が発生し、心理が健康ではない状態の場合は、

母親が子供を健康に育てるために努力するなら、この子は半分の確率ではありますが、健康に育つことができます。

しかし、母親が環境のせいにしだすと間違いなく子供の心理は崩れ始めます。

環境は子供たちの知識や習慣に影響を与えます。

環境は記憶と無意識の習慣に影響を与えるため、その習慣によって表現されるときに問題が発生することがあります。

そのため、環境が子供の問題に影響を与えるのは与えますが、それが子どもの心理の主な原因ではありません。

子供がどんな影響を受けたとしても、

子供が影響を受けた習慣を子供の成長過程に合わせて、母親が少しだけコントロールしてあげると、

どのような習慣であれその子の糧になります。

多くの人が「これは良いこと、これは悪いこと」と判断していますが、

悪いことがあってこそ良いことが分かるようになります。

つまり、良いことだけがある状態が決して良いとは言い切れないということです。

良いことだけがある状態で、もし悪いことが発生した時には、免疫力がなく崩れ落ちてしまう可能性があるのです。

子供が従順で良い子に育っていても、その子に合わない何かが発生したときには、その子がどうなるかは誰にも分かりません。

一つの基準しかないため、その基準に合わないものに出くわしたときには極端な選択をすることもあります。

例えば、母親に食べてはいけないと言われたものを食べて叱られ、

それで隠れて食べてまた叱られたとすると、少なくともその子にはそれを食べると怒られるという基準が一つ作られます。

これは良い悪いの概念で論じられる問題ではありません。

子供たちの成長過程である関係適応期や自己形成期に経験する試行錯誤に対して、良し悪しを論じてはなりませんが、

その子の基準を正してあげる必要はあります。

その基準を正してあげるのは誰の役割でしょうか。

子供と最も多くの時間を過ごすのは先生と母親です。

しかし、最近の先生は雑務も多く、昔の先生とは違います。

先生にとって学生は自分の子供ではありません。

ところが、最近の母親も仕事や家事に追われ、

子供たちと向き合う余裕もなく、その結果、子供たちに問題が発生しています。

母親にとっては自分の子供です。

もちろん父親の子供でもありますが、父親は保護する役割のみをしているだけで、

子供の心理に影響を与え、治療ができるのは母親のみです。

子供が道を踏み外した時、自分で正しい道に戻れる力をつけてあげると、

環境の影響を心配する必要はまったくありません。

むしろその環境が子供自身をより健康で堅固にしてくれます。

いかなる環境であれ母親にどのような能力があるのかによって、

わが子に健康で堅固な習慣を作ってあげることができます。

環境のせいにすると養育をする際に、多くのことを見逃すことになります。

今は忙しいからと、子供の問題を他人に任せて、先生たちも他人に任せにしています。

その他人は子供とは何の関係もない人で、知識だけがある人です。

今自分の子供が直面しているのは知識の問題ではなく、

心理の感情問題、習慣の問題なのに、

このような子供の心を誰が分かってくれるのでしょうか。

知識を持つ人が数時間、子供とカウンセリングをしたからといって子供は変わりません。

母親たちが子供のために長い時間を犠牲や献身をしなければならないと言っているのではありません。

子供の心と心理が分かれば、子供たちが健康な心理状態で成長できるように養育することも難しいことではありません。

知らないからできないだけで、知らないから子供たちが放置されています。

子供たちは母親の養育法によって変わるのであって、決して環境によって左右されるのはありません。