マザーセラピーは、母親がわが子を治療できる能力を養うものです。
子どもに直接治療を行うのではなく、息子や娘に問題が発生したとき、
能動的に対応して難なく治療ができる能力を母親自身が身につけるのです。
治療能力を身につけた母親が子どもに接するときに、子どもの心理が治療されます。
子どもに問題が発生したときは、
まず身体に異常がないか点検しなければなりません。
例えば、チック症であれ、発達障害であれ、ADHDであれ、
何か問題が発生したら、まず体に異常がないか綿密に検査を受け、
身体の特定部分に問題があるかないかを点検しなければなりません。
ただ見える姿だけで判断するのではなく、正確に検査を受ける必要があります。
脳やその他身体に異常がなければ、
心理に問題があるということですが、
この場合は心理問題を治療すればよいのです。
しかし、脳など身体に異常があれば、
これは医者が治療する領域であって、母親にできる領域ではありません。
薬物や治療用装具、手術やその他の療法など、
医学的なものは医者の担当領域です。
医学的治療を受けながら、心理治療も並行すると回復の速度はより早くなります。
もう一つのケースは、
脳など身体に全く問題がないにも関わらず、症状が深刻な場合は、
医学の力を借りるのも悪くはありませんが、
最終的には母親が子どもを治療することができます。
その効果は想像に絶するもので、
年齢が幼いほど治療効果はすぐに現れます。
マザーセラピーは母親の偉大な感情である母性愛で子どもを治療する方法です。
子どもに対して母親以上に心配する人がいるのでしょうか。
いくら専門家だとしても自分の子ではない限り、
母親のような感情が作られることはほぼ不可能です。
愛というのは良い感情に没頭する力なので、
必ず自分のお腹を痛めて産んだから母性愛がつくられるのではなく、
養子であっても母性愛はつくられます。
この愛の力で心理を治療するのがマザーセラピーです。
脳の問題のような身体の異常は医学の助けが必要ですが、
医学治療と同時に母親が治療を平行すると、
医学的な効果だけではなく、心理の側面での効果も現れ、治療の速度を速めることもできるのです。
医学的な治療のみを行ったときは5年かかるものが、
心理治療を並行することで2、3年に短縮できれば、
子どもにも母親にも良いことではないでしょうか。
このようにわが子の心理を治療する能力を母親が身につけるものがマザーセラピーであります。