子どもの心理問題は、今にはじまったことではありません。ところが、最近は子どもの心理問題がより多様化、拡大しており、とても深刻だということが分かります。

社会的に深刻な児童・青少年の犯罪を見るとその深刻さが分かります。ところが、こういった犯罪に処罰中心に対処をして、解決中心または治療中心の方法がほとんど存在しないことは更に深刻だといえます。非常に残念な現状だと言わざるを得ません。

皆さんの子どもはいい子でいつも皆さんが言うことをよく聞きますか。

皆さんの子どもはまったく心理に問題がなく、いつも明るく元気に成長していますか。

皆さんの子どもは勉強を一生懸命して、学校でも優等生ですか。

皆さんの子どもは幸せに成長していますか。

これらの質問に1つだけでも「はい」と自信を持って言える母親は何人くらいいるのでしょうか。また「はい」と答えた母親たちは、母の立場としては幸せかも知れません。

ところが、子どもの心と心理の作用原理が分かれば、深刻な心理問題を抱えている子どもの場合も上記のように大人の観点ではいい子に育つ現象が現れます。

現在の社会、学校、家庭が子どもの心理問題を見つめる観点が非常に深刻なために、子どもの心理問題がますます多様化し、深刻になっているという事実を知る必要があります。

現在の社会、学校、家庭では子どもの心理問題は深刻な心理障害と認識して治療しようとしていますが、実際には大したことない心理発達過程での試行錯誤に過ぎません。この試行錯誤を正して調節してあげればすぐに消える現象ですが、試行錯誤を心理障害と断定して治療を施すと、結局は本当の心理障害になってしまいます。

皆さんの子どもたちは成人になるための準備過程にいます。

準備する過程で試行錯誤を経験するのは当然のことです。したがって成長過程にある子どもたちの心と心理を、成長が完了した成人の観点で解釈してはならないのです。私たちは、子どもたちの試行錯誤を一緒に話し合いながら、子どもたちが正しい方向で健康に成長できるように、一緒に喜び調節して正してあげる知恵が必要です。

マザーセラピーはこのように深刻な社会、学校、家庭の現実を正しく健康に変化させるための努力の一環です。

健康に成長して成人になった時、健康な体と心で幸福を追求しながら生きていくことができるように、子どもたちは母親のサポートが必要です。

社会のせいにせず、学校のせいにせず、他の人たちのせいにせず、これからは母親たちが子どもの心理専門家になってください。そうするとわが子が幸福になり、皆さんも一緒に幸福になれます。